2019-01-01から1年間の記事一覧
今年は一年でコンサート、オペラ、バレエ、を約40公演鑑賞しました。 週1くらいのペースで観てたんだ、と自分でも呆れますが、どの公演もお客様思いの上質なものが多かったと思います。 たまたま良いコンサートに当たったのかもしれませんが、私はやはり日本…
今年のコンサート納めは、なんと上原ひろみちゃんのソロライブ!完全アコースティックなすみだトリフォニーホールでの熱狂の時間を過ごすことができ幸せいっぱいです!! クラシックの音楽家は普段からアコースティックな環境で音を作るのですが、ひろみちゃ…
ベルカントオペラフェスティバル アレッサンドロ・スカルラッティ作曲 オペラ「貞節の勝利」 2019年11月15日テアトロジーリオショウワ アレッサンドロ・スカルラッティのオペラを全幕見たのは初めて!イタリア古典歌曲は大好きだけど、恥ずかしながらアリア…
IKUNOMUSICA③ Che opera e’? 「なんのオペラでしょう?」クイズ! 2週間のセミナーの中でたびたび受講生の頭をフリーズさせたのが、先生による「なんのオペラでしょう?」クイズでした! どんなクイズかというと… たとえばレッスンの中でうまく行かなくて自…
まず、先生のレッスンで必ずと言っていいほどピアニストが指摘されるのが、ピアノの音ではなく、オーケストラの音をイメージして弾かなければならない、ということです。 ピアノ曲として弾くととても貧弱な伴奏になるオペラアリアも、実際オーケストラだと弦…
今年で7回目の参加になる歌手とコレペティトールのための国際セミナー、第13回生野ムジカ。イタリア留学時代からお世話になっているダンテ・マッツォーラ先生と奥様の多田佳世子先生のご指導のもと、今年は歌手3名、ピアニスト6名が受講することとなりまし…
ナディア・プーランジェは1887年にパリに生まれ幼い頃からたぐいまれな音楽の才能を顕し、14歳でガブリエレ・フォーレの弟子となり16歳でフォーレの代理としてマドレーヌ寺院のオルガンを任されるほど絶大な信頼を寄せられる。 作曲家、演奏者、指揮者として…
ストルネッロ(Stornello)って? ヴェルディのストルネッロはとても小粋な男女の掛け合いを女性側の視点で歌う楽しい曲です。 他の作曲家もストルネッロという題名の曲を書いています。例えばチマーラPietro Cimara、マルトゥッチGiuseppe Martucci、です。…
オテロ付録曲 フルスコアの巻末にBallabili(舞曲集?)という曲が付録として付いていて、3幕のファンファーレのところで挿入するようにと書いてある。 オペラ全曲では挿入されているのを聴いたことがなかったので驚いた。 スカラ座初演1887年の7年後、1894年…
クライバーのスカラ座「オテロ」 オテロの音源を探してスカラ座で検索したらクライバーの指揮した1976年の映像がYouTUBEにアップされていた! オテロの3幕のコンチェルタートが複雑すぎてムーティの指揮でも迷宮入りしているように聴こえ、ほかの音源ではな…
椿姫の年代設定 リブレットには設定は1700年ごろとなっていたのでルイ14世の治世時代のパリだと思っていたのですが、原作を読むと1850年ごろになっていて、どういうこと?と混乱。 リコルディのスコアは1850年ごろ、と原作と同時期。いわゆる伝統的な演出…
言わずと知れた元ウィーンフィルの名コンサートマスター、ライナー・キュッヒルさん、個人的に生で演奏を聴くのは初めてでした。 リサイタルを聴いての一番の印象としては、キュッヒルさんと音楽があまりに自然に同期するので、難しさよりも音楽が心から心へ…
スカラ座オーケストラのピアニッシモ よくオペラ歌手は声が大きいからオーケストラの音を越えて客席に声を轟かすことができる、と思われている。私もそう思っていた! 何十人ものオーケストラの音を越えてこそオペラ歌手、声の勝利に人々は酔いしれる? とこ…
歌手の方と稽古していて、アリアの最初のレチタティーヴォの中にある Saria per me sventura un serio amore? という歌詞の最初の言葉のアクセントの話になった。 Saria はサリーアと読むのに、ヴェルディはサーリアという書き方をしていて、サとリアにそれ…
イタリア・ローマでオペラの演出を学ばれた粟國先生演出の、1984年に初演された蝶々夫人。 1990年に粟國先生が亡くなられた後も蝶々夫人の決定版として、藤原歌劇団が大切にし何度も再演している演出を、2019年4月27日、新百合ヶ丘のテアトロ・ジーリオにて…
当時スカラ座の正面向かって左側の通りVia Filodrammatici フィロドラマーティチ通りにはチケット売り場があった(今もあるのでしょうか?)。Appello アペッロと呼ばれるチケットの点呼もチケット売り場の前で行われた。 しかし気長に点呼に付き合えない場合…
2幕1場 ジェルモンとヴィオレッタの二重唱その2 ジェルモンのセリフは実に辛辣です。 ジェルモンはヴィオレッタが若いので病気だとは信じません。 「犠牲は重いが、あなたはまだ若くて美しいのだから、時間とともに。。(忘れて新しい愛に巡り会うだろう…
2幕1場、ジェルモンとヴィオレッタの二重唱その1 アルフレードの父、ジェルモンは、このオペラでは「世間体」を一人で背負って立つ存在です。 原題のLa Traviata、道を踏み外した女、という言葉はオペラ全体を通して十字架のようにヴィオレッタの前に立ち…
②1幕アルフレードとヴィオレッタのアリアの共通の歌詞 A quell’amor che’e’palpito dell’universo intero misterioso altero croce e delizia al cor 全世界の鼓動である愛、神秘的で気高くて、苦しみと喜びを心に与えるもの これこそが、La Traviataという…
私のイタリア語読解能力が貧弱なため、恥ずかしながら、オペラのあら筋や日本語対訳を読み、単語を意味調べしただけでは、細かい描写の意味や、詩にするために倒置された語順を正確に読み解くことが出来ず、雰囲気で読んでいたものが実は全然見当違いだった…
ベヒシュタインのフルコンサートグランドと福間さんのマリアージュ! サントリーホールのスタインウェイではなく、CD録音で使用したというベヒシュタインを持ち込んでのリサイタル。 もちろん演奏は特筆すべき素晴らしさですが、繊細で色彩豊かなタッチを増…
初めてミラノに行ったのはバックパッカーのひとり旅でヨーロッパを周遊した時だった。 ひとり旅といっても行く先々で同様に旅をしている友達や、留学している友達に会うことになっていたから、本当に一人だったのは行き帰りの飛行機くらい。まだ若かったので…
6日目リハ最終日 さあ、ムーティが指揮台に立って、リゴレットの短いけれど衝撃的な序曲が始まった! トランペットのpp、何という緊張感、そして音楽が生命を持った! 昨日までとは全く別物!違う曲?? ムーティの指揮は変幻自在だがとても分かりやすい。拍…
5日目午前 ムーティは語る 若い指揮者たちよ、私の言う通りにエッセンスだけを振ったり必要以上に動かなかったりしたら、君たちはきっとキャリアを築けないだろう。 劇場支配人は客の要望に応えようとオーバアクションでいかにも陶酔していますという振り方…
アカデミー4日目 ついに歌手が入ってのオケリハ! ようやくムーティが振ると思ったらまさかまだ若手を指揮台に上げる。歌手のために心配になる… 3幕の公爵の女心の歌、続いて四重唱。ムーティは歌手が楽譜を無視して勝手に歌うのを許さないので、楽譜通りの…
3日目ピアノリハーサル 歌手指導 さて、3日目夜の部はピアニストが入ってムーティの歌手指導だった。 ムーティは、歌手に厳格なまでに楽譜通りを要求する。テノールが五線を超えた高音になるとすぐ楽譜の音価(音の長さ)を無視してのばしたがるのを再三制止。…
オケリハ3日目 オケだけのリハとしては最後。若い指揮者の指揮で1幕、2幕の2巡目。しかしオペラを振る難しさ!どうしても指揮者は拍をとりたがるけど、オペラは言葉と歌が先にあるから、どの拍の重さも言葉によってまちまち、強弱中強弱などという4拍子は存…
オーケストラリハーサル2日目 私は実はアカデミー2日目から6日までの5日間聴講しました。初日はどうしても行けない用事があったので。 ムーティは何も教えない、と言われていたけれど、このアカデミーでは、4名の30歳前後の若手指揮者に、指揮の仕方を丁寧に…
アカデミーへのイントロ ミラノに留学していた時、スカラ座の演出稽古に何演目か潜入した。劇場入りの前に演出が作られていく過程は、スカラ座の場合2週間くらいだっただろうか。朝10時から昼1時、その後に各自自宅に帰って昼食をとり、2時半から5時半が夕方…