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引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。

コンサートの有料配信、ありです!!

ミューザ川崎シンフォニーホールで行われるフェスタサマーミューザの一連のコンサートを有料配信で見ることができるということで、下野竜也さん指揮の読売日響、ゲストは反田恭平さん務川慧悟さんの2台ピアノでのプーランクの2台のピアノのための協奏曲、サン=サーンスの動物の謝肉祭、という演目のコンサートをおうち鑑賞しました。オーケストラのみによるモーツァルト交響曲31、32番も演奏されました。

 


初めての有料配信登録でしたが、当日スマホで簡単に鑑賞券を購入でき、すぐにコンサートの画面に入ることができました。

 


指揮者によるプレトークに続きオーケストラの団員さんの本番前の舞台上の音出し、1ベル、と会場の映像とともにゆっくりとコンサート前の雰囲気を味わうことができるのも良かったです。

 


また、コンサート中はなんと8台のカメラを駆使しての本格的なカメラワークで、各楽器のソロパートを逃さず映像に収める気合いの入り方、もちろんピアニストの手の動きも至近距離から映してくれます。私はスマホHDMIケーブルでテレビに繋いで観ていたのですが、音も立体的に聞こえてきて思ったより臨場感がありました。

 


20分の休憩中にもインタビューを交えたり、大がかりな転換の時は舞台上でソリストと指揮者のトークがあったり、さらに舞台袖の映像も時々見られたり、有料配信のお客様を飽きさせない工夫も盛り込んであり、楽しませていただきました。

 


そして、ライブ配信ならではのチャット機能もしっかりありました。配信組のお客様もチャットで拍手や感想を送ったり見たりして孤独感なくコンサートに参加できるというのは、これからの定番になりそうですね。

そうそう、プログラムもPDFファイルのリンクから見ることができました。これも曲紹介や出演者プロフィールなど詳しく書いてあり有難かったです!

 


プログラムではプーランクの2台のピアノのための協奏曲が素晴らしく、一緒に見ていた息子が喜んで踊り出しました!ホールではできない反応です…笑💦

インドネシアガムランに着想を得たというこの曲、まさにガムランの音階と何故かパリのアコーディオンのようなメロディーが混在して、不思議な活気を感じる曲でした。

 


無観客や制限された人数のお客様のコンサートの有料配信は、お得に雰囲気を楽しめる配信鑑賞のお客様のメリットだけではなく、ガラガラに近いホールで拍手を送るお客様にとってもどこかにつながっているという広がりを感じることができ、ライブの場にいるという特権を実感できるメリットがあると思います。ぜひ新しいコンサートのあり方として定着されることを願っております!

 

新しいコンサートの形を

おうち生活でもテレワークで音楽、アンサンブルができることは実験できて、距離を越えた嬉しい交流をたくさんさせていただき音楽家のお友達に感謝するばかりです。ネットでの交流や動画の公開はきっと自粛生活が終わっても続いて新しい文化になると思います。


一方で、私はコンサートホールに出かけてコンサートやオペラを鑑賞するのが大好きです。その場でしか味わえない一生ものの経験ができるのは、人が集まる場があってこそ、と信じています。ただ本当にコンサートホールに満員のお客様を収容できる日が来るのはいつかわかりません。ホールもそれを支える方々も音楽家もイベントの関係者もその日を待つだけでは持ちません。


そこで、これはコンサート大好きな私の小さな提案ですが、もう少し自粛が緩和されたら、室内楽やソロの音楽会をホールで行い、客席をVRにしてお席のチケットを普通のチケットよりは安く売ってはいかがでしょうか?というのも国立科学博物館のかはくVRを見て、同じようなことはホールでできるのではないか、と思ったからです。そしてVRなら良いお席に何人座っても大丈夫。とにかく無観客公演でもプロの演奏ですから有料にするのがミソです。VRの設備のことはよくわかりませんが、個人的にはホールのような素晴らしい環境でその時に奏でられるいい音楽を聴きたいのです。
この場を借りて陳情させてくださいませ!ぜひよろしくお願いいたします✨

 

たとえば、2021年ムーティの指揮するウィーンフィルニューイヤーコンサートを1階席前方横のバルコニー席辺りから3Dカメラでライブ撮影しその場にいるかのような音響でVRで観る権利を1万円で売ってくれたなら私は間違いなく買います!
どんなに抽選に応募しても一生当たらないチケットな上にウィーン行く旅費、そのための年末年始の都合をつける苦労、などなどをかんがみるに断然お安いお値段です。同じことを考える方は世界に何万人もいるはずで、オーケストラにそのお金が入ったらウィーンフィルは財政難でストラディヴァリウスの弦楽器を売らなくて済みます(そんなことは絶対にしないでしょうが…笑)


なんていう妄想に浸る日々ですが、実際VRの実験はオーケストラを使っておこなわれていますし、そう遠くない未来に実現すれば嬉しいとかなり本気で思う次第です✨

ピアノのオンラインレッスンの例

3月の臨時休校以降も自宅での個人レッスンで、生徒さんは徒歩だったり車での送り迎えがあったり、そこまで人との接触がないので、毎日の掃除やアルコール消毒を頑張ってなんとか続けていたピアノレッスンでしたが、4月7日の緊急事態宣言を機にオンラインレッスンに切り替えました。

最初はzoomを使おうか、と思っていたのですが、1対1の個人レッスンならいつも保護者の方と連絡を取っているLINEのビデオ通話で十分でした。ただ、wifi環境によって音声の遅延、途切れなどの現象があるため、オンラインでは課題の曲を演奏していただき、マルにしたり、ワンポイントだけレッスンする程度にし、時間も通常30分のところ、15分から20分で切り上げることにしました。そのかわりに一人一人の課題について譜読みと弾き方ポイント動画を作り、初回のレッスン前にバタバタと配信しました。1曲につき2~5分くらいで一人2~3曲。最初は動画をそのままLINEで送信していましたが、すぐに一日の送信容量を超えてしまったためYouTubeに限定公開してURLをお知らせする方法にしたところ今の所上手くいっています。

いつも譜読みはレッスン中にしてしまう方式だったためにその部分を動画にして上手く理解してもらえるか不安でしたが、保護者の方のご協力を得られて生徒さんはいつもより真面目に取り組んでくれています。

 


上級者に限っては、動画の交換日記方式にしました。弾きたい曲の動画を送ってもらい、こちらからアドバイス付き参考演奏の動画をお返事として送ります。上級者なので1回やりとりしたら次の曲に移りますが、動画を何度か見て復習してくださっているようです。


もう一つ、オペラの伴奏動画も、やってみました。ピアノ伴奏に合唱部分や他の役の音も足して弾いて、ついでにテンポが揺れるところやフェルマータで止まるところは空いている手や首で指揮します。音だけだとずれそうなところも、ちょっと弾き振りするとわかりやすくなります。これは歌手の方に送りました。歌と伴奏の2画面の動画にできたら面白いかもです笑

 


以上、オンラインレッスンについてこの1週間で試したことを書いてみました。今のところ、思ったより機能しています!

良いお年を!

今年は一年でコンサート、オペラ、バレエ、を約40公演鑑賞しました。

週1くらいのペースで観てたんだ、と自分でも呆れますが、どの公演もお客様思いの上質なものが多かったと思います。

たまたま良いコンサートに当たったのかもしれませんが、私はやはり日本のお客様の素晴らしさがあるかな、と思っています。

たとえばオーケストラ公演で忘れられない感動を与えてくれたムジカエテルナでさえ、チャイコフスキー交響曲の楽章間で一切拍手が起きなかったことで日本のお客様を激賞しています。

 


オペラでもコンサートでも日本のお客様の集中力は素晴らしく、それでいて良い演奏には熱狂的な反応もしてくださるので、舞台と客席のコミュニケーションが成立するのです。

 


何より良く曲を知ってくださっているし、知らない曲にも興味を持とうとしてくださる。

アーティストにとっては本当にホームで演奏できる感があるのではないでしょうか。

 


熱狂といえば、12月には2つのスタンディングオベーションを体験しました。ファン・ディエゴ・フローレス上原ひろみ、どちらもアコースティックな中でも最も上質な音が、どれだけの熱狂を産むかという、音楽の奇跡を実現してくれた最高の公演でした!

 


私は音楽の熱狂はスポーツの熱狂と全く変わらないと思っています。音楽も舞台芸術も大人しく我慢して鑑賞するものではなく、血沸き肉踊るようなものであるはずです。

演奏する者としてもそのことを肝に命じて精進していこう、と決意する年の瀬なのでした。

 


今年もお世話になりありがとうございました!

どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

上原ひろみJapanTour2019SPECTRUM@すみだトリフォニーホール

今年のコンサート納めは、なんと上原ひろみちゃんのソロライブ!完全アコースティックなすみだトリフォニーホールでの熱狂の時間を過ごすことができ幸せいっぱいです!!

 


クラシックの音楽家は普段からアコースティックな環境で音を作るのですが、ひろみちゃんはアンプの入ったダブルベースの音をピアノの弦を手で押さえて弾いて再現したり、ドラムの入ったアンサンブルをピアノで表現したり、実に刺激的な音作りをしていて新鮮でした。

 


ヤマハのコンサートグランドと、時には取っ組み合い、時にはお洒落なカフェでお茶したり、時には新幹線のようにすっ飛ばして戯れたり、時には一緒に昔のことを語り合ったり、ひろみちゃんは本当に正直にピアノと会話して音を奏でていて、だからこそ聴いているこちらの心もすっかりひろみちゃんの操り人形のようになって泣いたり笑ったりして音楽の感動を分かち合うことができました。

 


圧巻はガーシュインラプソディー・イン・ブルーのモチーフから所々アレンジを織り交ぜた終曲!!普段オーケストラの曲を弾いているオペラのコレペティも、音色は真似ても音量までは無理!とあきらめてますが、ひろみちゃんは本気でフルオケの音を出そうとして、結果トリフォニーホールいっぱいに1台きりのピアノの音が広がっていったのです!その姿はまるで勇者のよう、神々しくさえありました!!曲終わりと共に観客はスタンディングオベーション!!!

まるでボクシングの世界大会で優勝したような熱狂!お客様のよくやってくれた!!ひろみちゃん最高!!という拍手が手拍子になり、会場は一体に!

 


この日はジャパンツアー最終日、実は最初日程になかったのですが、追加公演として、実現したのでした。本当に行けて良かった!!

 

ベルカントオペラフェスティバル オペラ「貞節の勝利」 2019年11月15日 

ベルカントオペラフェスティバル

アレッサンドロ・スカルラッティ作曲

オペラ「貞節の勝利」 

2019年11月15日テアトロジーリオショウワ

 


アレッサンドロ・スカルラッティのオペラを全幕見たのは初めて!イタリア古典歌曲は大好きだけど、恥ずかしながらアリアしか知りませんでした。

結論、バロックオペラ、クセになりそう!!

カウンターテナーの声に刻印された狂気、才気煥発の指揮と演出による機能した舞台、どうぞご自由に、を正しく扱える芸術家が集まればこんな素敵な時間になるのか!と目からウロコが落ちました!

イタリア人カウンターテナーのラファエッレ・ペー氏の歌ったアリアCaldo Sangue(熱き血潮よ)は言葉の色、音楽の色がピアニッシモでも劇場中に響き渡り、夢のようなひと時でした。

日本人では小堀勇介さんと山内政幸さんのお二人が最高でした!山内さん、性別を超えるのはオペラの得意とするところですが、これはご本人もクセになった様子!

 


指揮者のアントーニオ・グレコ氏はスコアの情報から洗練された音楽を編み出すだけでなく、自らチェンバロも演奏しその音で舞台上の演劇にも参加、これがお洒落で上品!レチタティーヴォ・セッコ(チェンバロとチェロの通奏低音で伴奏する語り、お芝居の部分)大好きな私のツボにピッタリ!セッコの伴奏をこんな風に自由に素敵に弾けたらなぁ…

 


バロックオーケストラは、驚くほど甘美なスカルラッティを演奏してくださり、日本にいることを忘れるよう。いつまでも聞いていたかった。あまりに上手いので後でメンバーを見たらビックリ!日本を代表するソリスト級の古楽奏者が集まっていました。

とにかくチェンバロとの音合わせからうっとり。何Hzか正確にはわかりませんがほとんどソシャープに聴こえるラの音、心地よいのですよね〜

 


古楽オーケストラのアンサンブルは素晴らしく、それを全力でまとめる指揮者の力量も驚くべきものでした!

 


さらに、演出です!バロックオペラの演出がこんなに楽しいものになるなんて!時代設定やキャラクター設定もウィットに富んで飽きさせませんが、リトルネッロ(繰り返し)を大量に含むバロック音楽の冗長さを全く感じさせなくなるMimmi(ミンミ、無言の役者たち)の音楽的な振り付け!ソリストのアリアを全く邪魔することなく妖精のように舞台を彩る助演の皆さんの動きに感動しました!

 


演出は2名の演出家の合作なのですが、中でもリーベロ・ステッルーティ氏はプロフィールの1番最初に日本人演出家、井田邦明氏の演劇学校出身、と誇らしげにあるとおり、井田邦明さんの演劇の力学理論とでも言いましょうか、の教えを忠実に舞台上に再現していたと思います!どういう動きがどんな舞台効果を生み出すか、を知っていて、かつその塩梅が絶妙で、音楽を可視化してくれるのです。役者さんたちの動きは素晴らしい効果を生み出していました!

 

ベルカントオペラフェスティバルという一連のイベントの中でもメインの公演だっただけに新百合ヶ丘という場所で平日のお昼公演にもかかわらず満席に近いお客様で劇場内は熱気にあふれていました。

 

素晴らしい公演に立ち会うことができて本当に幸せなひとときでした!!