クライバーのスカラ座「オテロ」映像

クライバースカラ座オテロ

オテロの音源を探してスカラ座で検索したらクライバーの指揮した1976年の映像がYouTUBEにアップされていた!

オテロの3幕のコンチェルタートが複雑すぎてムーティの指揮でも迷宮入りしているように聴こえ、ほかの音源ではなんとカットされているものもあり(!)勉強するのに行き詰まっていたのです。

完全アウェーのヤジ轟々の中だというのに、クライバーの指揮はものすごい集中力だった。イタリアオペラの殿堂でしかもヴェルディの最高傑作を指揮するに当たり、クライバーは全ての歌詞を口ずさみ、舞台をしっかり見て合唱のキューまで出していた。これが外国人でできることは、どれだけの準備をしてきたかが伺える。

感情的なヤジが飛ぶとはいえ、私は素晴らしいヴェルディだと思った。クライバーが真摯にスコアを読み、ヴェルディの音楽を実現しようとしている、と思った。そりゃ、振り方は優雅だが、クライバーなんだから仕方ない!それでも気合はオケや合唱に伝わっていて、舞台全体がクライバーの指揮を実現していたのではないだろうか。絶頂期のドミンゴとフレーニの黒と白のコントラストが美しく、カプッチッリのイアーゴ(ちょっといい声すぎる)も贅沢。

合唱に実は驚いた。今のカゾーニ先生、その前のガッビアーニ先生の合唱も素晴らしいのだが、2代前の合唱指揮者の指導は歌詞が全てはっきりと聞こえてきてこれまた素晴らしい!迫力あるイタリア語に圧倒された!合唱の響きには合唱指揮者の個性が出るのですね。

このオテロはなんとその後日本ツアーで上演されたという!観た方は世界中の羨望の的になったことでしょう!!